更正の請求に強くなる!

更正処分と修正申告
 

税務調査によって確定申告について税務署と見解が割れて申告の修正を求められた場合、どうしても納得がいかない場合には修正申告をせずに税務当局の更正処分を待つという方法があります。修正申告も更正処分も足りない税金を払うということでは変わりありませんが、その後の権利に違いが出てきます。

[修正申告の場合]
修正申告は納税者自ら申告内容を修正する手続きですから、修正について納得していることから修正後に修正内容について不服を申し立てることは出来ません。税務署が修正申告を求めるのも不服申立ての権利を消滅させるためです。後々面倒なことにならないように修正申告させるわけです。

[更正処分の場合]
更正処分は納税者が納得するしないは関係なく、税務署が強制的に申告内容を修正して足りない税金を納めさせる行政処分です。修正申告とは違って、納税者には不服を申し立てる権利があるので税金を支払ったあとでも不服を申し立てて争うことが出来ます。

税務署と納税者の意見が食い違う、見解の相違は少なからず生じます。その時に税務署の意見に納得できないという場合には甘んじて更正処分を受けて堂々と違う場所で闘う方法もあります。よく税務調査に関する報道で企業側が『~修正申告に応じた』とか、『~更正処分を受けた』と違いがあるのはこうした理由からです。前者は今後不服申立てができませんが、後者であれば更正処分の是非、内容を争うことができるのです。ゆめゆめ簡単に修正申告に応じなかれということですね。

最近のニュースから
 

更正の請求についてご紹介してきましたが、更正の請求に関連して、最近の「更正処分」に関するニュースをご紹介しましょう。

『SBIが3億円所得隠し、不透明な業務委託料』
(読売新聞|2009年8月5日より引用・抜粋)

東証1部上場の総合金融サービス会社「SBIホールディングス」(東京都港区、北尾吉孝最高経営責任者)が、東京国税局の税務調査を受け、2008年3月期までの2年間で約3億円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。

関係者によると、取引先に支払った業務委託料などの一部について、趣旨が異なる支出と認定されたという。追徴税額(更正処分)は重加算税を含め、約1億円になるとみられる。

関係者によると、SBIは、IT関連業務などを事業目的とした取引先数社に対し、不動産取引を巡る業務委託や情報提供の趣旨で数億円を支出し、費用として損金算入していた。

しかし、東京国税局の税務調査で、実際に不動産取引は行われていたものの、支出先の数社は取引に直接的にはかかわっていないなど、業務委託や情報提供の内容が不透明であることが判明。同局は、SBIに対する役務提供があったとは言えず、数社への支出が対価性を伴わない「寄付金」に当たると認定し、全額を損金算入することはできないと判断したとみられる。
~~~~~~~~~~~~~~(以下省略)~~~~~~~~~~~~~~~~

国税局によって追徴課税(過少申告加算税、重加算税など)が課せられる処分を「更正処分」といいます。
今回のケースでは、「費用」としていたものを「寄付金」と認定されたため、課税対象額が増えたために追徴課税を支払うことになりました。しかし、対象となった「費用」が全額「寄付金」として認定されたかどうかまではわかりません。